不眠の子守唄

書評ブログ。たまに洋楽や美術館。読書は海外文学・新書・古典etc... 不定期更新

ノーベル文学賞作家

フォークナー『八月の光』あらすじ・感想ー「黒人でも白人でもない」人間の孤独と悲劇

8月中に読み終えたいと思っていた本をようやく読み終えた。 それが、この本。1949年のノーベル文学賞を受賞したことでも知られる、アメリカ文学の大家ウィリアム・フォークナーの『八月の光』である。 折しもBLM(Black Lives Matter)などでアメリカの人種…

バーナード・ショー『ピグマリオン』あらすじ・感想ー稀代の皮肉屋が描くアンチ・ラブストーリー

バーナード・ショーの『ピグマリオン』といえば、あのオードリー・ヘップバーンが主演した映画「マイ・フェア・レディ」の原作としても有名である。 だが、この二つの作品は、実は全く違う結末の作品なのである。 「マイ・フェア・レディ」はいわゆるシンデ…

忍ぶ影の不気味さと運命の悲しさーカズオ・イシグロ『わたしを離さないで』書評・感想

カズオ・イシグロの最高傑作は? と聞かれたら、この『わたしを離さないで』を推す人は多いのではないだろうか。 私は正直に言うとこの問いには『日の名残り』と答えてしまうのだが、『わたしを離さないで』も名作であることには間違いないし好きな作品であ…

カズオ・イシグロ『日の名残り』あらすじ・感想ー人生の哀しさと楽しさを描いた名作

小説の主人公というものは、たいてい並外れた知性や洞察力の持ち主であることが多い。でも、カズオ・イシグロの『日の名残り』(土屋政雄訳)は、この原則にまったく反する。 「普通の人」が人生の夕暮れに差しかかったときに、ふと自分の人生とは何だったの…

【長編】海外文学のおすすめ100選ー読書の道しるべー(新潮社『考える人』2008年春号より)

なぜだかこのブログを書き始めたりTwitterで読書アカウントをつくったりしてから、海外文学にはまってしまった(もともと全く読まなかったわけではないが)。 だが、どの本を読めばいいのかいまいち検討がつかない。 そんな中、新潮社『考える人』2008年の春…

【20世紀】ノーベル文学賞受賞者と、受賞理由まとめ【後編】

表題の通り、ノーベル文学賞受賞作家についてまとめてみました。 今回の後編は、1950年以降の20世紀後半について紹介していきます。 (前半はこちら) moriishi-s.hatenablog.com 「ノーベル文学賞受賞作家は(入手できる限り)全員読む」のをライフワークに…

【20世紀】ノーベル文学賞受賞者と、受賞理由まとめ【前編】

表題の通り、ノーベル文学賞受賞作家についてまとめてみました。 100年分はあまりに長いので、今回は1901年~1949年の20世紀前半についてまとめました。 後半はこちら。 moriishi-s.hatenablog.com 「ノーベル文学賞受賞作家は(入手できる限り)全員読む」…

ガルシア・マルケス『百年の孤独』で海外文学の陶酔に浸るーラテンアメリカの熱情と魔術的幻想の神話

ガブリエル・ガルシア・マルケス「百年の孤独」という作品がある。同名の酒の元ネタである(多分)。 この作品は、「20世紀の傑作」ランキングなどでたいてい上位にランクインする作品(特に新潮社のランキングでは第一位にランキングしている)であり、その…