不眠の子守唄

書評ブログ。たまに洋楽や美術館。読書は海外文学・新書・古典etc... 不定期更新

マンガ

ノベライズ不能の超展開ー藤本タツキ『チェンソーマン』は、人生で最狂のマンガかもしれない

ここ10年くらい週刊誌なんて買っていなかったが、最近10年ぶりに週刊少年ジャンプを買っている。 鬼才・藤本タツキによる『チェンソーマン』というマンガがあまりに急展開過ぎて、単行本を待つことができなくなったからである。再来月(2020年11月)に第9巻…

連載作品だけじゃない! 高橋留美子の短編集おすすめランキング【高橋留美子劇場】

1970年代後半~80年代の『うる星やつら』・『めぞん一刻』に始まり、90年代の『らんま1/2』、2000年代の『犬夜叉』、2010年代の『境界のRINNE』、そして2020年現在連載中の『MAO』と、連載作品すべてがヒット作品という生ける伝説・高橋留美子。 しかし、ど…

萩尾望都『イグアナの娘』ー表題作以外も「毒親」を描いた珠玉の短編集【あらすじ・感想】

昨今、「毒親」などという言葉に代表されるように、いびつな家族・親子関係がクローズアップされることが多いように思う。 子供を愛せない親、愛さずに育ったことによる愛着障害、そして愛されなかった子供が親になっても愛し方がわからないという問題......…

高橋留美子『めぞん一刻』を不朽の名作たらしめているものは何か?【あらすじ・考察】

親戚の影響で「マンガと言えばあだち充・高橋留美子」という環境で生まれ育った。 この小学館を代表する二大巨頭の作品はどれも読んだが、小学生の時分あまり記憶に残らなかったのが、高橋留美子の『めぞん一刻』だった。 まあ、小学生が読んで面白さがわか…

『まんが訳 酒吞童子絵巻』(ちくま新書)書評・感想ーマンガ理論で生まれ変わる絵巻物

新書を買いそろえるのが趣味なのだが、最近は忙しくあまり読めていない。 その中で、非常に読みやすく、かつ面白かったのが、ちくま新書から出た大塚英志監修/山本忠宏編『まんが訳 酒呑童子絵巻』である。 その名の通り、『酒吞童子絵巻(酒天童子絵巻)』…

『らんま1/2』で天童あかねはどうして泳げないのか?

最近サンデーうぇぶりというアプリで、高橋留美子の超名作『らんま1/2』を読み直していたのだが、どうでもいいことに気づいたのでここに書く。 『らんま1/2』を読んだ方はご存知のように、ヒロイン・天童あかねは、カナヅチなのである。 しかし、天童あかね…

『ストップ!! ひばりくん!』のアニメの評価は? ー全話感想・原作と徹底比較!

私の一番好きなマンガの一つは江口寿史さんの『ストップ!!ひばりくん!』という作品で、このマンガに関しては、このブログでも今まで二回も記事を書いている。 ここ数日「ひばりくん」の検索が増えていて、なんでだろう? と思っていたところだったが、5月…

「一冊で終わるマンガ」の傑作はこれだと思う―あだち充『じんべえ』の凝縮された魅力

「一冊で終わるマンガ」で一番お薦めのマンガは? と聞かれたら、私はあだち充の『じんべえ』を推す。(もっとも一冊で終わるマンガなんてあまり思いつかないが...笑) 「あだち充マンガを読んでみたいけど、少し長い気がする」と思っている方がいらっしゃっ…

「人生の尊さ」を考える、漫画の神様のマンガ哲学ー手塚治虫『ぼくのマンガ人生』書評・感想

岩波新書には多少「お堅い」イメージがあるが、もちろん例外もある。 その最たる例が、手塚治虫『ぼくのマンガ人生』だろう。 この本は、日本を代表する漫画家・手塚治虫の講演をまとめた本であり、最後の30ページほどはマンガであることもあって非常に読み…

荒木飛呂彦『荒木飛呂彦の奇妙なホラー映画論』が面白いージョジョの作者はホラー映画に「癒される」?!

荒木飛呂彦『荒木飛呂彦の奇妙なホラー映画論』を読んだ。著者はご存知の通り、「ジョジョの奇妙な冒険」の作者である。 この本は、「ホラー映画の入門書」「おすすめのホラー映画の載ったハンドブック」としても面白いし、また、荒木飛呂彦先生がどのような…

若木民喜『神のみぞ知るセカイ』の魅力ー「ゲーマー」の逆説的に描く現実讃歌

若木民喜「神のみぞ知るセカイ」という漫画がある。 ラブコメディの全ての魅力を備えたような作品で、非常に好きな作品である。 今回は、このマンガの魅力を極力ネタバレしないよう紹介したい(少しはネタバレしてしまうので、絶対にネタバレが嫌な方はお気…

伝説の打ち切りマンガ、江口寿史『ストップ!! ひばりくん!』にハッピーエンドはありえたのか?

以前にも紹介した「ストップ!! ひばりくん!」というマンガは、伝説的な終わり方をしたマンガである。 最終話で大河激二郎という新キャラクターが登場し、その人物が涙を流しながら 「少年漫画は死んだッ・・・」 という台詞を残したところで、連載は終了とな…

江口寿史『ストップ!! ひばりくん!』という漫画が、史上最高のラブコメディである理由

好きなマンガを10個挙げろと言われたら、絶対に入れる作品がいくつかある。 そのうちの一つが、この江口寿史先生の『ストップ!!ひばりくん!』である。 まずジャンルとして、マンガではラブコメディが割と好きなのだが、その中で『ストップ!! ひばりくん!』は…

あだち充『H2』ラストの考察①

あだち充の『H2』は本当に名作だと思っているのだが、名作を名作たらしめる所以の一つは、人によってラストの解釈が分かれることにあるのではないかと思う。 ここでは表題通り、あだち充『H2』のラストについて、私なりに考察していきたい。 ▼関連記事 morii…

あだち充『H2』の魅力ーあだち充長編漫画のエッセンスを凝縮した最高傑作

最近、小学館のアプリ「サンデーうぇぶり」の広告がよく表示される。 いくつかのマンガの広告が出るが、「H2」の頻度が私のスマホでは最も高い。 残念ながらすでに私はH2を全巻持っているので、この広告が出てもアプリをダウンロードしようという気は起きな…