不眠の子守唄

書評ブログ。たまに洋楽や美術館。読書は海外文学・新書・古典etc... 不定期更新

SF

アーサー・C・クラーク『幼年期の終わり』あらすじ・感想ー主人公は地球人なのか? 宇宙人なのか?

アーサー・C・クラークの『幼年期の終わり』という作品がある。 作者アーサー・C・クラークは、映画『2001年宇宙の旅』の原作者としても知られているSFの大家で、代表作である『幼年期の終わり』もSFの古典として知られている。 この作品を初めて読んだのは…

三島由紀夫『美しい星』あらすじ・考察ー異端のSF、だけど三島ワールド

三島由紀夫に『美しい星』という作品がある。 三島作品としては異色なSF的作品であり、「変わった作品」とみられることが多い。 しかし、私は三島作品の中でこの作品が一番好きかもしれない。それはこの小説が、私の初めて読んだ三島作品だからでもあるのだ…

ダニエル・キイス『アルジャーノンに花束を』あらすじ・感想ーあえて「ブラックユーモア」として考察する

ダニエル・キイスの『アルジャーノンに花束を』といえば、「知能を高めることが幸福なのか?」といった「幸福」について問うているSF作品としてや、ラストの場面に感動する心温まる作品として、また文学的には、主人公の「手記」という形をとることで、主人…

忍ぶ影の不気味さと運命の悲しさーカズオ・イシグロ『わたしを離さないで』書評・感想

カズオ・イシグロの最高傑作は? と聞かれたら、この『わたしを離さないで』を推す人は多いのではないだろうか。 私は正直に言うとこの問いには『日の名残り』と答えてしまうのだが、『わたしを離さないで』も名作であることには間違いないし好きな作品であ…

ジョージ・オーウェル『1984年』考察ー二重思考を信じ込まされる「馬鹿」になってはいけない

20世紀に書かれた最高の英文学は? というランキングで、たいてい1位に君臨するのが、このジョージ・オーウェル『一九八四年』である。 あまりに有名な作品であるから、あえて紹介する必要はないかもしれない。しかし、やはりこの作品をどうとらえるかは人に…

カート・ヴォネガット『猫のゆりかご』あらすじ・感想ー描く世界に「真実はいっさいない」のか?

カート・ヴォネガット「猫のゆりかご」について感想を記す。 この「猫のゆりかご」を一読した当初は、正直なところあまりよくわからなかったと記憶している。だが、先日「タイタンの妖女」の感想を記したのをきっかけに再読し、この作品についてもだんだん理…

カート・ヴォネガット『タイタンの妖女』感想・考察ーなぜ、人類は「タイタン」へ行ったのか?ー

カート・ヴォネガット「タイタンの妖女」といえば、アメリカのSFの最高傑作のひとつともされる作品である。爆笑問題・太田光の最も愛する作品の一つとしても知られている。 1959年の作品ということもあって、古さを感じる場面は多くある。しかし、今でもSFの…

カート・ヴォネガット『タイタンの妖女』あらすじー人類の究極目的と自由意志とは何か?

「タイタンの妖女」あらすじ 記事が長くなりすぎたので、あらすじを別に分けます。 ネタバレありですが、登場人物を絞ったプロットを書いています。 ▼普通の感想はこちらから moriishi-s.hatenablog.com