不眠の子守唄

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【20世紀】ノーベル文学賞受賞者と、受賞理由まとめ【後編】

表題の通り、ノーベル文学賞受賞作家についてまとめてみました。

今回の後編は、1950年以降の20世紀後半について紹介していきます。

(前半はこちら)

moriishi-s.hatenablog.com

ノーベル文学賞受賞作家は(入手できる限り)全員読む」のをライフワークにしたいのだが、どれくらいの時間がかかるだろうか。

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1950年代

1950年 バートランド・ラッセル(英)

人道的理想や思想の自由を尊重する、彼の多様で顕著な著作群を表彰して

哲学入門 (ちくま学芸文庫)

哲学入門 (ちくま学芸文庫)

 
1951年 ペール・ラーゲルクヴィスト(スウェーデン

人類が直面する永遠の課題に対し詩作により解を探ろうと試みる芸術的活力と真の意味での精神的自立に対して

バラバ (岩波文庫)

バラバ (岩波文庫)

 
1952年 フランソワ・モーリアック(仏)

彼の小説の人間生活のドラマに浸透した、深い精神的な洞察力と芸術的な強さに対して

1953年 ウィンストン・チャーチル(英)

歴史や伝記の記述の熟達に加え、高揚した人間の価値についての雄弁な庇護者であること

第二次世界大戦〈1〉 (河出文庫)
 

あの、第二次世界大戦当時のイギリス首相のチャーチル第二次世界大戦回顧録の執筆による受賞。 

1954年 アーネスト・ヘミングウェイ(米)

"老人と海"に代表される、叙述の芸術への熟達と、現代のストーリーテリングの形式に及ぼした影響に対して

老人と海 (新潮文庫)
 
1955年 ハルドル・ラクスネス(アイスランド

アイスランドの偉大な物語の芸術を革新した、彼の鮮やかで壮大な力に対して

1956年 フアン・ラモン・ヒメネス(西)

高邁な精神と芸術的純度の一例を構成する、スペイン語による彼の叙情的な詩に対して

ヒメネス詩集

ヒメネス詩集

 
1957年 アルベール・カミュ(仏)

この時代における人類の道義心に関する問題点を、明確な視点から誠実に照らし出した、彼の重要な文学的創作活動に対して

異邦人 (新潮文庫)

異邦人 (新潮文庫)

  • 作者:カミュ
  • 発売日: 1963/07/02
  • メディア: 文庫
 
1958年 ボリス・L・パステルナーク(ソ連

現代風の叙情的な詩、および大ロシアの歴史的伝統に関する分野における、彼の重要な功績に対して

1959年 サルヴァトーレ・クァジモド(伊)

古典的な火で現代の生活の悲劇的な経験を照らし出す、叙情的な詩に対して

 

1960年代

1960年 サン=ジョン・ペルス(仏)

我々の時代の状況を先見的に反映した、彼の詩の高らかな飛翔と喚情的な形象に対して

1961年 イヴォ・アンドリッチユーゴスラビア

自国の歴史の主題と人間の運命を叙述した、彼の偉大な力量に対して

宰相の象の物語 (“東欧の想像力”)

宰相の象の物語 (“東欧の想像力”)

 
1962年 ジョン・スタインベック(米)

優れた思いやりのあるユーモアと鋭い社会観察を結びつけた、現実的で想像力のある著作に対して

怒りの葡萄(上) (新潮文庫)

怒りの葡萄(上) (新潮文庫)

 
1963年 イオルゴス・セフェリス(希)

ヘレネの世界観への深い感情から着想を得た、優れた詩作に対して

1964年 ジャン=ポール・サルトル(受賞辞退)(仏)

イデアに富み、自由の精神と真実の探求に満ちた彼の作品が、私たちの時代に広範囲な影響を与えてきたことに対して

嘔吐 新訳

嘔吐 新訳

 
1965年 ミハイル・ショーロホフ(ソ連

彼の「ドン」の叙事詩によって、ロシアの人々の生活の歴史的な段階を表現した芸術の力と整合性に対して

1966年 シュムエル・アグノン(同時受賞)(イスラエル

ユダヤ人の人々の生活をモチーフにした、深遠に個性的な叙述の芸術に対して

1966年 ネリー・ザックス(同時受賞)(スウェーデン

イスラエルの運命を伝える優れた詩と劇作に対して

ネリー・ザックス詩集

ネリー・ザックス詩集

 
1967年 ミゲル・アンヘル・アストゥリアスグアテマラ

ラテンアメリカの原住民の伝統と国民性に深く根ざした、鮮やかな文学的業績に対して

1968年 川端康成(日本)

日本人の心の精髄を、すぐれた感受性をもって表現、世界の人々に深い感銘を与えたため

雪国

雪国

 
1969年 サミュエル・ベケットアイルランド

小説や戯曲の新たな形式の中で、現代人の悲惨を描き、その芸術的な偉業を果たした彼の作品に対して

ゴドーを待ちながら (白水Uブックス)

ゴドーを待ちながら (白水Uブックス)

 

1970年代

1970年 アレクサンドル・ソルジェニーツィンソ連

ロシア文学の不可欠な伝統を追求したその倫理的な力に対して

1971年 パブロ・ネルーダ(チリ)

一国の大陸の運命と、多くの人々の夢に生気を与える源となった、力強い詩的作品に対して

ネルーダ詩集 (海外詩文庫)

ネルーダ詩集 (海外詩文庫)

 
1972年 ハインリヒ・ベル(西独)

同時代への幅広い眺望と鋭い描写によって、ドイツ文学の刷新に貢献した

ハインリヒ・ベル短篇集 (岩波文庫)

ハインリヒ・ベル短篇集 (岩波文庫)

 
1973年 パトリック・ホワイト(豪)

文学に新大陸を導入した、叙事詩心理的叙述の芸術に対して

1974年 エイヴィンド・ユーンソン(同時受賞)(スウェーデン

各地域および各時代を俯瞰しつつ自由のために奉仕する語りの技法に対して

1974年 ハリー・マーティンソン(同時受賞)(スウェーデン

露のひとしずくを捉えて宇宙を映し出す作品群に対して

アニアーラ

アニアーラ

 
1975年 エウジェーニオ・モンターレ(伊)

偉大な芸術的感性を伴い、幻想のない人生観の兆候の下で、人間の価値を解釈する独特の詩作に対して

1976年 ソール・ベロー(米)

彼の作品の中で結びついた、人間の理解と、捉え難い現代文化の分析に対して

1977年 ビセンテ・アレイクサンドレ(西)

宇宙と現代社会の中の人間の状況を照らし出すと同時に、戦争の間のスペイン語詩の伝統の偉大な革新を表す創造的な詩作に対して

1978年 アイザック・バシェヴィス・シンガー(米)

ポーランド·ユダヤ文化の伝統に根ざし、生命に普遍的な人間の条件をもたらす情熱的な文芸作品に対して

1979年 オデッセアス・エリティス(希)

ギリシアの伝統的背景に抗う詩作によって、感覚的な強さと知的で明確な視野を通して、現代人の自由と創造のための闘争を描いている

オディッセアス・エリティス詩集

オディッセアス・エリティス詩集

 

1980年代

1980年 チェスワフ・ミウォシュ(波)

妥協のない明確な視野を持ち、深刻な紛争世界にある人間がさらされた状況を表明したこと

1981年 エリアス・カネッティブルガリア

着想と芸術性に富み、幅広い視野によって書かれた著作に対して

眩暈(めまい) 〈改装版〉

眩暈(めまい) 〈改装版〉

 
1982年 ガブリエル・ガルシア=マルケス(コロンビア)

現実的なものと幻想的なものとを融合させて、一つの大陸の生と葛藤の実相を反映する豊かな想像力の世界を構築した

百年の孤独 (Obra de Garc´ia M´arquez)
 
1983年 ウィリアム・ゴールディング(英)

現実的な物語の芸術の明快さと多様性、神話の普遍性に満ちた小説によって、現代世界の人間が置かれた状況を照らし出したこと

1984年 ヤロスラフ・サイフェルト(チェコスロバキア

新鮮さ、官能性、豊かな創意性に富んだ詩によって、不屈の精神と人間の多様性の解放的なイメージを与えたこと

1985年 クロード・シモン(仏)

その小説において、詩人の創造性と画家の創造性を深められた時間意識に結びつけ、人間の状況を描出した

アカシア

アカシア

 
1986年 ウォーレ・ショインカ(ナイジェリア)

幅広い文化的視点と、詩的な響きによって、存在のドラマを創り上げたこと

1987年 ヨシフ・ブロツキーソ連

思考の明快さと詩的な力強さが一体化した、包括的な作品群にたいして

大理石

大理石

 
1988年 ナギーブ・マフフーズ(エジプト)

時には克明な現実主義によって、時には想像力を書きたてる手法を駆使するといった、ニュアンスに富んだ作品群を通して、全人類に普遍性を持つアラビア語の創作芸術を形成したこと

張り出し窓の街 (カイロ三部作 1)

張り出し窓の街 (カイロ三部作 1)

 
1989年 カミーロ・ホセ・セラ(西)

人間の脆弱性の挑戦的なビジョンを形成する、自制的な憐憫を含んだ、豊穣で徹底した散文に対して

1990年代

1990年 オクタビオ・パス(墨)

広い視野を持ち、先鋭的知性と人文主義的高潔さを特徴とした、情熱的な作品に対して

弓と竪琴 (岩波文庫)

弓と竪琴 (岩波文庫)

 
1991年 ナディン・ゴーディマー(南アフリカ

彼女の壮大な叙事詩が、"アルフレッド・ノーベルの言葉"に即した、人文主義にとっての重要な利益であったこと

いつか月曜日に、きっと

いつか月曜日に、きっと

 
1992年 デレック・ウォルコットセントルシア

偉大なる明るさ、歴史的な視野に支えられた、多文化融合の産物たる詩的創作に対して

1993年 トニ・モリソン(米)

先見的な力と詩的な重要性によって特徴付けられた小説で、アメリカの現実の重要な側面に生気を与えたこと

1994年 大江健三郎(日本)

詩趣に富む表現力を持ち 、現実と虚構が一体となった世界を創作して 、読者の心に揺さぶりをかけるように現代人の苦境を浮き彫りにしている

万延元年のフットボール (講談社文芸文庫)

万延元年のフットボール (講談社文芸文庫)

 
1995年 シェイマス・ヒーニーアイルランド

日々の奇跡と生き生きとした過去を称える、詩的な美しさと民族的な深みを持つ作品に対して

1996年 ヴィスワヴァ・シンボルスカ(波)

皮肉をはらんだ緻密な詩によって、人間のリアリティのフラグメントに光を当て、その歴史的、生物学的文脈を浮き彫りにした

1997年 ダリオ・フォ(伊)

中世的な道化や権威を風刺し、弱者の尊厳を庇護したこと

1998年 ジョゼ・サラマーゴ(葡)

想像、哀れみ、アイロニーを盛り込んだ寓話によって我々がとらえにくい現実を描いた

白の闇 (河出文庫)

白の闇 (河出文庫)

 
1999年 ギュンター・グラス(独)

遊戯と風刺に満ちた寓話的な作品によって、歴史の忘れられた側面を描き出した

2000年 高行健(仏)

普遍的な正当性、痛烈な洞察力、言語的な独創性をもった作品によって、中国の小説や劇作に新たな道を開いたこと

霊山

霊山

  • 作者:高行健
  • 発売日: 2003/10/24
  • メディア: 単行本
 
 

 

20世紀後半だと、詩以外はほとんどの作品が翻訳されていて、日本語で読むことができる。

 

このまとめが、少しでも読書の道しるべになれば幸いである。

 

▼1950年以前についてまとめた前半はこちら

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