不眠の子守唄

書評ブログ。たまに洋楽や美術館。読書は海外文学・新書・古典etc.

子どもを美術館に連れていけない時に、お薦めの名画集ー「おはなし名画シリーズ」で自宅で美術体験ー

このブログのコンテンツの一つに、「美術館・展覧会」を掲げている。

だが、ブログの記事を書くようになってから、新型コロナウイルスの影響で全く美術館に行けなくなってしまった。というわけで、美術館に行けずフラストレーションがたまっていると同時に、ブログに展覧会の記事を書けないもどかしさもある。

そこで、今回は私がかつてよく読み、美術に関心を持つようになった理由の一つである本「おはなし名画シリーズ」(博雅堂出版)を紹介しようと思う。子どもを美術館に連れていきたいが連れていけない、というときにお薦めの本である。

フェルメールとレンブラント (おはなし名画シリーズ)

子どもを美術に親しませるには

おそらく、地方に住んでいる方にとっては、子どもが美術に親しむようにしようと思っても、かなり苦労されるのではないか。

文化資源は東京・京都にに集中しており、デジタル上の展示も発展途上である。

 

そんな中、「本」に期待されるところは多い。

 

だが、「子ども向けの画集」というものは、実はあまり世の中に存在しない。

 

そんな中で、子どものための「美術全集」として貴重な存在なのが、この「おはなし名画シリーズ」である。

 

「おはなし名画シリーズ」の特徴

では、「おはなし名画シリーズ」とはどのような本なのか。

 

この本は、私は非常に教育的な効果の高い本だと思っている。

 

「おはなし名画シリーズ」の特徴は、画家の生涯をわかりやすい言葉で紡ぎながら、名画を紹介していることにある

つまり、伝記と画集の両方の要素を持ち、美術史もおさらいできる優れものである。考証もしっかりしていると思う。子ども向けの作品だが、大人も楽しめる。

 

そして、そのような本に親しむことによって、子どもが将来美術館に行ったときに「この絵、本で見たことある!!」という状態になり、美術を好きになることができるというのが、この本の一番優れた効果だと思う

充実のバックナンバー

記事投稿現在まで、「おはなし名画シリーズ」は、次のバックナンバーが出ている。

1.ゴッホとゴーギャン

2.ローランサンとモディリアーニ

3.ルノワールとドガ

4.アンリ・ルソーとシャガール

5.ボッティチェッリと花の都フィレンツェ

6.マリアさまの生涯

7.マネとモネ

8.平山郁夫のお釈迦様の生涯

9.レオナルド・ダ・ヴィンチとミケランジェロ

10.ピカソ

11.セザンヌとスーラ

12.マティス

13.平山郁夫と玄奘三蔵

14.クレー

15.ミレーとコロー

16.ダリ

17.フェルメールとレンブラント

18.琳派をめぐる三つの旅―宗達・光琳・抱一

19.葛飾北斎

20.イエスの誕生とうわさの壁画

特徴的なのは、「マリアさま」「お釈迦さま」 の生涯を描いた作品(宗教画)もフィーチャーされている点である。

西洋美術を理解するうえで聖書の知識は不可欠であるが、その初歩もこのシリーズでは学ぶことができる。

 

まさに優れものである。

 

そもそも、子どもを美術館に連れていくのは難しいし、やはり子どもが美術に親しむようにするには、この本が一番なのではないかと思う。

特にお薦めの本

最近の本は追えていないのであるが、実際に私が読んだことのあるものからお薦めをピックアップさせていただく。

ピカソ

写実的な絵を描いていた青少年期から、「青の時代」、そしてキュビズムへと作風の変化が絵画を通じて視覚的にわかるのが面白い。特に大人にもお薦めなのはこの一冊。

ピカソ (おはなし名画シリーズ)

ピカソ (おはなし名画シリーズ)

  • 作者:森田 義之
  • 発売日: 2016/10/10
  • メディア: 大型本
 

マリアさまの生涯

前述の通り、キリスト教の宗教画について理解が深まる。この本は作者別ではないが、画家も有名どころばかり。

マリアさまの生涯 (おはなし名画シリーズ)

マリアさまの生涯 (おはなし名画シリーズ)

  • 作者:辻 茂
  • 発売日: 2016/10/10
  • メディア: 大型本
 

レオナルド・ダ・ヴィンチミケランジェロ

このシリーズは1冊につき2人の画家を掲載している場合も多いが、たいてい、両者の間にはつながりがある。

この本は、レオナルド・ダ・ヴィンチミケランジェロという二人の天才にフィーチャーしている。メディチ家など世界的知識もこの本から得られる。

アンリ・ルソー

ある意味、一番子どもの興味を引くのは、このアンリ・ルソーかもしれない。

というのも、アンリ・ルソーは断トツで絵が下手だからである。ヘタウマなのである。そんな観点から、美術を楽しむというのもいいかもしれない。

アンリ・ルソーとシャガール (おはなし名画シリーズ)

アンリ・ルソーとシャガール (おはなし名画シリーズ)

  • 作者:辻 茂
  • 発売日: 2016/10/10
  • メディア: 大型本
 

ゴッホゴーギャン

サマセット・モーム月と六ペンス」のモデルにされるほど、その人生が多くの人々を引き付けてきたゴーギャン。そしてゴッホは言うもおろかなりである。

波乱の人生を送った二人の人生を、力強い作品とともに楽しむことができる作品は、他にないのではないかと思わせる。子ども向けと侮るなかれ。

ゴッホとゴーギャン (おはなし名画シリーズ)

ゴッホとゴーギャン (おはなし名画シリーズ)

 

 

おわりに

何度も言うが、この本は子ども向けの域を超えている本である。すべての美術好きにお薦めしたい本である。プレゼントにも向いている。

 

また、値段は少し高めだが、絵には著作権があるのでこの値段も当然だろうということを言い添えておく。

良くまとめられた、優れた美術全集である。

 

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フェルメールとレンブラント (おはなし名画シリーズ)