海外文学を読んで「教養人」になりたい! と思ったが、いまいちどんな本を読めばいいのか見当がつかない。
そんな中、新潮社『考える人』2008年の春号に掲載された「海外の長編小説ベスト100」が、読書の道しるべとして有用そうだったのでここにまとめ、読んだものについては感想を付した。
この記事は個人的なメモであるが、もし何かの役に立てばうれしい。
なお、必ずしも万人受けするわけではない作品も多く含まれている点は、あらかじめご了承いただきたい。
(読了・記事投稿次第随時更新)
*一覧は記事のいちばん最後にあります。
1『百年の孤独』ガルシア・マルケス
1位が新潮社からしか出ていない(しかも単行本でしかでていない)、『百年の孤独』というのには商売的な意図を感じないでもないが、個人的には納得。作者はガブリエル・ガルシア・マルケス(1982年ノーベル文学賞受賞)。
物語は「マコンド」という町の建設から滅亡までの記録で、まるで神話のよう。かなり分厚い本で、ところどころ難解すぎるので、読み切るのに2か月近くかかったが、南米の独特な語りのリズムはまさに「海外文学を読んでいる!!」という気持ちになる。
ここまで推すならはやく文庫化してほしい......!
2『失われた時を求めて』プルースト
一部読んだ。
第一篇のみ読了。おそらくこのランキングの中で一番長い長い作品だが、話自体はある程度独立している。なので気負わずに、少しずつ読んでいっていい作品だと思う……と思いつつ第二篇以降をまだ読んでいない。
第一篇第一部第一章のラストの場面で、紅茶に浸したプチ・マドレーヌを味わった瞬間に過去を思い出すシーンは有名。
3『カラマーゾフの兄弟』ドストエフスキー
未読。
3位は言わずと知れたドストエフスキーの『カラマーゾフの兄弟』。サマセット・モーム『世界の十大小説』の一つにも選ばれている、非常に評価の高い作品。なお、モームの『世界十大小説』はすべてランクインしている。
4『ドン・キホーテ』セルバンテス
子供向けのものなら読んだことがあるが......
4位はセルバンテスの『ドン・キホーテ』。子供向けの『ドン・キホーテ』を読んだ当初は、この作品がここまで文学的に評価されているとは知らなかった。
5『城』カフカ
5位はカフカの『城』。カフカはトップ10に2作ランクイン。
主人公がたらいまわしにされる物語。
感想記事にも書いた通り、娯楽作品を求めるなら平坦すぎて正直つまらない。だけど、色々な解釈が可能で多くの批評を生んできた作品で、色々と考えさせるところはある。やはり死ぬまでには読んでおいてよかったなと強く思っている。青空文庫で無料で読めるのはおすすめポイント。
6『罪と罰』ドストエフスキー
このランキング2度目のドストエフスキー
7『白鯨』メルヴィル
児童向けのなら昔読んだことがある。「主人公たちが勝つ」物語しか読んだことがなかった幼き私にとって、この作品はあまりに衝撃だった......
余談だが、スターバックスの店名は『白鯨』の登場人物の名前に由来する。こういう雑学的な気づきを得られるのは、海外文学を読む醍醐味だろう。
サマセット・モーム『世界の十大小説』の一つ。
8『アンナ・カレーニナ』トルストイ
読了。
かなり長い......が、かなり読みやすい。
長いのは、主人公アンナ以外の物語も多く描かれているから。
9『審判』カフカ
カフカはトップ10に2作ランクイン
10『悪霊』ドストエフスキー
このランキング3度目のドストエフスキー。トップ10に3作品ランクインしているのは、さすがとしか言いようがない。
11『嵐が丘』エミリー・ブロンテ
読了。Kindle Unlimitedで読み放題で読める。
女性作家の中での第一位は『嵐が丘』となった。話自体は『金色夜叉』のような復讐譚で分かりやすいが、構成が複雑で面白い(一方で読みにくい、と感じる人も多いだろう)。サマセット・モーム『世界の十大小説』の一つ。
12『戦争と平和』トルストイ
私は昔読んで挫折した。トルストイを読むなら先に『アンナ・カレーニナ』を読むのがいいと思う。読みやすいし、『戦争と平和』よりは短いので。
サマセット・モーム『世界の十大小説』の一つ。
13『ロリータ』ナボコフ
13位はナボコフの『ロリータ』。
言うまでもなく「ロリコン」の語源となった、変な意味でも有名な小説であるが、小説としての面白さや凝らされた技巧の実力は圧倒的である。いわゆる「ロリータ」の語源って何なんだ? という気持ちで読んでみるのも良いし、また今まで敬遠していた読書家にもぜひ読んでみてもらいたい本である。巧みに伏線が張り巡らされていて、推理小説としても面白い。
14『ユリシーズ』ジェイムズ・ジョイス
途中まで読んだことはあるが......
15『赤と黒』スタンダール
サマセット・モーム『世界の十大小説』の一つ。
16『魔の山』トーマス・マン
17『異邦人』カミュ
17位はカミュの『異邦人』。有名な作品だが、主人公・ムルソーがあたかもサイコパスのような性格をしており、私たちの常識に疑問を投げかけるような内容である。それゆえ、不条理文学と呼ばれる。
おそらくランキングの中で一番短い作品の一つ。最初に読む本として、ぜひお薦めしたい。
18『白痴』ドストエフスキー
このランキング4度目のドストエフスキー
19『レ・ミゼラブル』ヴィクトル・ユーゴー
ミュージカルなら......
20『ハックルベリー・フィンの冒険』マーク・トウェイン
「トム・ソーヤの冒険」の続編
21『冷血』トルーマン・カポーティ
21位はトルーマン・カポーティの『冷血』。カポーティというと『ティファニーで朝食を』など現実離れした物語に定評があるが、うってかわって『冷血』は実在の殺人事件を描いたノンフィクション・ノベル。
犯罪の捜査や、殺人犯の生い立ちや心理に迫ったノンフィクションの名著であるとともに、カポーティによる巧みな描写や構成によって小説としての価値も非常に高い。ノンフィクションが好きな人にお薦めしたい作品第一位。
22『嘔吐』サルトル
いいかげん文庫化してほしい本ナンバーワン
23『ボヴァリー夫人』フロベール
サマセット・モーム『世界の十大小説』の一つ。
24『夜の果てへの旅』ルイ=フェルディナン・セリーヌ
作者セリーヌは反ユダヤ主義の評論を展開したことから、第二次大戦後は不遇のうちに没した。
とはいえ、彼の作品の価値が貶められるわけではない。
25『ガープの世界』アーヴィング
26『グレート・ギャツビー』フィッツジェラルド
読了
村上春樹も大好きなことで知られる『グレート・ギャツビー』。華麗だけれども哀しく美しい物語。
27『巨匠とマルガリータ』ブルガーコフ
28『パルムの僧院』スタンダール
29『千夜一夜物語』
一部読んだ。
岩波文庫版で一巻まで読了。アラビアンナイトの元ネタを含む短編集。
岩波文庫の第一巻に収録されているあたりの短編が一番成立年代が古いらしく、まずは第一巻だけでも読むと良いかもしれない。
30『高慢と偏見』ジェーン・オースティン
読了。
女性作家2人目はジェーン・オースティン。代表作『高慢と偏見』がランクイン。ツンデレの古典。サマセット・モーム『世界の十大小説』の一つ。
31『トリストラム・シャンディ』ローレンス・スターン
読了。
31位は『トリストラム・シャンディ』。この作品は一見マイナーに思えるが、マジで面白い。トリストラム・シャンディの半生を描いた作品だが、その描き方がめちゃくちゃ奇抜なのである。ーーまず、彼が精子だった時から語りが始まる。ーーとだけ言えば少しはこの作品の面白さが伝わるだろうか。メタ的な要素も存分に含まれている。
この小説は18世紀中葉の作品なのだが、読者をからかうような技巧が尽くされていて全く古さを感じさせない。夏目漱石の『吾輩は猫である』にも影響を与えたという。
32『ライ麦畑でつかまえて』サリンジャー
読了
33『ガリヴァー旅行記』スウィフト
34『デイヴィッド・コパフィールド』ディケンズ
サマセット・モーム『世界の十大小説』の一つ。『クリスマス・キャロル』で有名なチャールズ・ディケンズの自伝的小説。
35『ブリキの太鼓』ギュンター・グラス
36『ジャン・クリストフ』ロマン・ロラン
37『響きと怒り』フォークナー
37位はノーベル文学賞作家ウィリアム・フォークナーの『響きと怒り』。
このランキングは『響きと怒り』に加えて『八月の光』、『アブサロム、アブサロム!』というフォークナーの三大名作すべてがランクインしている。
『響きと怒り』は、知的障碍を持っている語り手や重度の抑鬱状態にある語り手などを登場させた、叙述方法的にも非常に特徴がある唯一無二の作品。
38『紅楼夢』曹雪芹・高蘭墅
中国の「四大奇書」の筆頭。「四大奇書」はすべてランクインしている。
『紅楼夢』は、四大奇書の中で一番エッチな作品。
39『チボー家の人々』デュ・ガール
40『アレクサンドリア四重奏』ロレンス・ダレル
このランキングの中だとかなり入手しにくそう。
41『ホテル・ニューハンプシャー』アーヴィング
42『存在の耐えられない軽さ』ミラン・クンデラ
42位はミラン・クンデラ『存在の耐えられない軽さ』。
チェコのプラハの春を題材にした恋愛小説であるが、恋愛小説である以上にクンデラの哲学的な思考と卓越した表現のかっこよさが光る作品。そもそも「存在の耐えられない軽さ」というタイトルがかっこいい。クンデラの哲学を楽しみたい方は、ぜひこの作品を。
98位にランクインしている『冗談』は、『存在の耐えられない軽さ』より平易で物語として面白い作品で、こちらもお薦めしたい。
43『モンテ・クリスト伯』デュマ
44『変身』カフカ
読了。
短くてお薦め。
45『冬の夜ひとりの旅人が』カルヴィーノ
45位はカルヴィーノ『冬の夜ひとりの旅人が』。
カルヴィーノは『なぜ古典を読むのか』(河出文庫)だけ読んだことがある。この本は、古典作品を読んでみようと考えている人に特にお薦め。
46『ジェーン・エア』シャーロット・ブロンテ
46位は『ジェーン・エア』。妹のエミリー・ブロンテ、ジェーン・オースティンに続く女性作家の登場。感想を記事に書いたが、やはり女性の自立の象徴的な作品。特別美しいわけではないジェーンが、真実の愛を掴むまでの物語である。ご都合主義な面も否めないが、女性の自立した愛を描いた古典的かつ金字塔的な作品。
47『八月の光』フォークナー
47位はフォークナー『八月の光』。黒人と白人の混血として生まれた男ーーすなわち、黒人社会からも白人社会からも疎外されるーーの孤独を中心に、アメリカ南部に生きた人々を描いた大作。
フォークナーは1949年にノーベル文学賞を受賞したアメリカ文学の大家。このランキングでも37位の『響きと怒り』に続いて2作目で、61位にも『アブサロム、アブサロム!』がランクインしている。物語としては『八月の光』が一番読みやすいと思う。
48『マルテの手記』リルケ
48位は、ライナー・マルテ・リルケ『マルテの手記』。この作品は、長編小説というよりは、詩あるいは自省録のようなものだろう。その名の通り手記の体裁をとっていて、死や孤独、人生について考察がなされる。あらすじの面白さを求める人には全くお薦めできないが、この本はどこをとっても名文と言えるような美しい言葉の数々で、表現の美しさを求めるなら一番お薦めかもしれない。
Kindle Unlimitedでも読める。
49『木のぼり男爵』カルヴィーノ
45位『冬の夜ひとりの旅人が』に続き、49位はカルヴィーノの『木のぼり男爵』。
いまカルヴィーノで一番手に入りやすいのは岩波文庫の『まっぷたつの子爵』だが、こちらはランクインしていない。
50『日はまた昇る』ヘミングウェイ
51『水滸伝』施耐庵
中国「四大奇書」の一。
52『人間喜劇』バルザック
『人間喜劇』は一つの小説ではなく「作品群」では? と思うが、52位にランクイン。
なお、『人間喜劇』の代表作『ゴリオ爺さん』(ペール・ゴリオ)は56位にもランクインしている(どういう集計方法だったのか気になる)。まずは『ゴリオ爺さん』を読むのがいいのではないかと思う。
53『路上』ケルアック
54『危険な関係』ラクロ
55『木曜の男』チェスタトン
56『ゴリオ爺さん』バルザック
56位はバルザック『ゴリオ爺さん』。娘のために金を使いすぎて没落し、娘にも見放された悲しい老人「ゴリオ爺さん」と、社交界での出世を目指す野心家ウージェーヌ・ド・ラスティニャックの物語。栄枯盛衰の激しいパリで光と闇が描かれる。サマセット・モーム『世界の十大小説』の一つ。
57『源氏物語』紫式部
現代語訳で良いなら読了したような、していないような
58『幻滅』バルザック
56位の『ゴリオ爺さん』に続き、バルザックの『幻滅』がランクイン。
59『うたかたの日々』ボリス・ヴィアン
悲劇の漫画家・岡崎京子によってノベライズもされている作品。
耽美的に恋人たちを描いたフランス文学。
60『スローターハウス5』カート・ヴォネガット
60位はカート・ヴォネガットの『スローターハウス5』。
作者の従軍経験をもとに書かれた戦争文学でもあり、またSFでもあり、さらに斬新な語りの手法が採られたポストモダン文学の象徴的作品でもある。SFの定義にもよるが、このランキング唯一のSFともいえる。でも、やっぱり文学寄りだから「SFが読みたい」という人にはお薦めできないかもしれない。
61『アブサロム、アブサロム!』フォークナー
フォークナーは 『響きと怒り』、『八月の光』に続いて3冊目。
62『ハワーズ・エンド』フォースター
63『魔術師』ジョン・ファウルズ
64『ムーン・パレス』ポール・オースター
65『アウステルリッツ』ゼーバルト
ランキングでおそらく唯一の21世紀の作品。この作品がゼ―バルトの遺作となった。
66『日の名残り』カズオ・イシグロ
66位はカズオ・イシグロの『日の名残り』。このリストの中では珍しく、今も活躍している作家による作品。新しい分、読みやすく、またユーモアにも富んでいると思うし、それでいて文学的な価値(技法・テーマの秀逸さ)は引けを取らない。他人に一番薦めたい作品の一つ。
67『悪童日記』アゴタ・クリストフ
68『ガルガンチェアとパンタグリュエル』ラブレー
69『若草物語』オールコット
昔読了した記憶はある。
70『回想のブライズヘッド』イーブリン・ウォー
『回想のブライズヘッド』は、2009年の岩波文庫版の邦題で、それ以前の翻訳の『ブライヅヘッドふたたび』『ブライズヘッド再訪』のタイトルの方が有名かもしれない。
71『ある家族の会話』ナタリア・ギンズブルグ
作者はイタリアの女性作家。
72『トム・ジョーンズ』ヘンリー・フィールディング
サマセット・モーム『世界の十大小説』の一つ。なお、世界十大小説では一番古い作品(唯一18世紀の作品)である。
73『大いなる遺産』ディケンズ
74『心は孤独な狩人』カーソン・マッカラーズ
アメリカの女性作家。
75『緋文字』ナサニエル・ホーソーン
途中まで読んだ。
76『大地』パール・バック
半分くらい読んだ。
バックは中国育ちのアメリカの女性作家。1938年ノーベル文学賞。
77『狭き門』アンドレ・ジッド
ローマ教皇庁に禁書にしているなんていう話もある本。ジッドは1947年ノーベル文学賞。
78『不思議な国のアリス』ルイス・キャロル
読了した記憶はある。
79『オデュッセイア』ホメロス
読了したが、感想ブログにを書く気は今のところない。
言わずと知れた古代ギリシアの長編叙事詩。『イリアス』の後日談に当たる話だが、『イリアス』よりこちらの方が断然読みやすい(岩波文庫ではどちらも松平千秋氏が訳しているが、なぜだか読みやすさが断然違う。)。
ホメロス特有の表現(たとえば、相手の言葉に激昂した時の「何たる言葉が汝の歯の垣根を超えたことか...!」というようなセリフ)を知ることができて楽しい。
80『感情教育』フロベール
81『侍女の物語』マーガレット・アトウッド
作者マーガレット・アトウッドは、現代カナダを代表する女性作家。
「侍女」と聞いて舞台が近世以前だと思った人、間違いです。未来を舞台にしたディストピア小説。
82『二都物語』ディケンズ
Kindle Unlimitedで読める。
83『予告された殺人の記録』ガルシア・マルケス
1位の『百年の孤独』に続き、ガルシア・マルケスがランクイン。「予告された殺人の記録」は、『百年の孤独』と違って長編というほどは長くない。独特の南米のリズム感はそのままに非常に精緻な作品で、丁寧に読んでいくと物語としても非常に面白い作品。
84『ペドロ・パラモ』フアン・ルルフォ
85『西遊記』呉承恩
中国「四大奇書」の一。
86『薔薇の名前』ウンベルト・エーコ
86位はウンベルト・エーコ『薔薇の名前』。
NHKの番組「100分de名著」で紹介されているのを観て読んだ気になっている。もちろん原書も読んでみたいが、あまりに長いのでなかなか読むことができないでいる。
ちなみに私は「100分de名著」はよく観るが、この『薔薇の名前』が紹介された回は「100分de名著」屈指の神回だと思う。
87『三国志』羅貫中
吉川三国志は読了したが......
88『虚栄の市』サッカレー
89『親和力』ゲーテ
90『若い芸術家の肖像』ジェイムズ・ジェイス
91『死の家の記録』ドストエフスキー
このランキング5度目のドストエフスキー。
ドストエフスキーには一般に五大長編と呼ばれているものがあって、このランキングではそのうち処女作の『未成年』以外の4作がランクインしている。
『死の家の記録』はドストエフスキーが思想犯として投獄されていたころの体験記と見聞録。
92『イリアス』ホメロス
読了したが感想を書く気はない。
92位は、ホメロスの『イリアス』。ホメロスの叙事詩は79位の『オデュッセイア』に続いてランクイン。
ギリシャ神話に登場するアテナなどの女神、アキレウスやヘクトールといった英雄について知りたいなら読んで損はない。登場人物に二つ名がついていて、中二心をそそられる。
93『風と共に去りぬ』マーガレット・ミッチェル
映画で有名。
94『ナジャ』ブルトン
94位は、アンドレ・ブルトンの『ナジャ』。原典は未読だが、鹿島茂『悪女入門』(講談社現代新書)でも触れられていたのが記憶に残っている。
95『V.』ピンチョン
ピンチョンといえば、絶対に公の場に顔を出さないことで知られている作家。ジョージ・オーウェル『1984年』(早川書房)に解説を寄せていた人物としても記憶している。そういえばこのランキングはオーウェルはランクインしていない。
96『モロイ』サミュエル・ベケット
1969年ノーベル文学賞。ベケットは『ゴドーを待ちながら』などの戯曲も有名。
97『灯台へ』ヴァージニア・ウルフ
ウルフはアメリカの女性作家。Kindle Unlimitedで読める。
98『冗談』ミラン・クンデラ
98位はミラン・クンデラの『冗談』。クンデラは42位の『存在の耐えられない軽さ』に次いで2作目。『冗談』も、『存在の耐えられない軽さ』同様に共産主義体制下のチェコを描いた作品。当時の社会を感じることができるとともに、物語としても非常に面白く読むことができる作品。『存在の耐えられない軽さ』よりも平易なので、はじめてクンデラを読む人には『冗談』をお薦めしたい。
99『オブローモフ』ゴンチャロフ
100『悪徳の栄え』マルキ・ド・サド
サディストの語源、サド。澁澤龍彦がこの本を翻訳してわいせつ物頒布罪に問われた『悪徳の栄え』事件は有名。
最後に、一覧を置いておこう。
- 1『百年の孤独』ガルシア・マルケス
- 2『失われた時を求めて』プルースト
- 3『カラマーゾフの兄弟』ドストエフスキー
- 4『ドン・キホーテ』セルバンテス
- 5『城』カフカ
- 6『罪と罰』ドストエフスキー
- 7『白鯨』メルヴィル
- 8『アンナ・カレーニナ』トルストイ
- 9『審判』カフカ
- 10『悪霊』ドストエフスキー
- 11『嵐が丘』エミリー・ブロンテ
- 12『戦争と平和』トルストイ
- 13『ロリータ』ナボコフ
- 14『ユリシーズ』ジェイムズ・ジョイス
- 15『赤と黒』スタンダール
- 16『魔の山』トーマス・マン
- 17『異邦人』カミュ
- 18『白痴』ドストエフスキー
- 19『レ・ミゼラブル』ヴィクトル・ユーゴー
- 20『ハックルベリー・フィンの冒険』マーク・トウェイン
- 21『冷血』トルーマン・カポーティ
- 22『嘔吐』サルトル
- 23『ボヴァリー夫人』フロベール
- 24『夜の果てへの旅』ルイ=フェルディナン・セリーヌ
- 25『ガープの世界』アーヴィング
- 26『グレート・ギャツビー』フィッツジェラルド
- 27『巨匠とマルガリータ』ブルガーコフ
- 28『パルムの僧院』スタンダール
- 29『千夜一夜物語』
- 30『高慢と偏見』ジェーン・オースティン
- 31『トリストラム・シャンディ』ローレンス・スターン
- 32『ライ麦畑でつかまえて』サリンジャー
- 33『ガリヴァー旅行記』スウィフト
- 34『デイヴィッド・コパフィールド』ディケンズ
- 35『ブリキの太鼓』ギュンター・グラス
- 36『ジャン・クリストフ』ロマン・ロラン
- 37『響きと怒り』フォークナー
- 38『紅楼夢』曹雪芹・高蘭墅
- 39『チボー家の人々』デュ・ガール
- 40『アレクサンドリア四重奏』ロレンス・ダレル
- 41『ホテル・ニューハンプシャー』アーヴィング
- 42『存在の耐えられない軽さ』ミラン・クンデラ
- 43『モンテ・クリスト伯』デュマ
- 44『変身』カフカ
- 45『冬の夜ひとりの旅人が』カルヴィーノ
- 46『ジェーン・エア』シャーロット・ブロンテ
- 47『八月の光』フォークナー
- 48『マルテの手記』リルケ
- 49『木のぼり男爵』カルヴィーノ
- 50『日はまた昇る』ヘミングウェイ
- 51『水滸伝』施耐庵
- 52『人間喜劇』バルザック
- 53『路上』ケルアック
- 54『危険な関係』ラクロ
- 55『木曜の男』チェスタトン
- 56『ゴリオ爺さん』バルザック
- 57『源氏物語』紫式部
- 58『幻滅』バルザック
- 59『うたかたの日々』ボリス・ヴィアン
- 60『スローターハウス5』カート・ヴォネガット
- 61『アブサロム、アブサロム!』フォークナー
- 62『ハワーズ・エンド』フォースター
- 63『魔術師』ジョン・ファウルズ
- 64『ムーン・パレス』ポール・オースター
- 65『アウステルリッツ』ゼーバルト
- 66『日の名残り』カズオ・イシグロ
- 67『悪童日記』アゴタ・クリストフ
- 68『ガルガンチェアとパンタグリュエル』ラブレー
- 69『若草物語』オールコット
- 70『回想のブライズヘッド』イーブリン・ウォー
- 71『ある家族の会話』ナタリア・ギンズブルグ
- 72『トム・ジョーンズ』ヘンリー・フィールディング
- 73『大いなる遺産』ディケンズ
- 74『心は孤独な狩人』カーソン・マッカラーズ
- 75『緋文字』ナサニエル・ホーソーン
- 76『大地』パール・バック
- 77『狭き門』アンドレ・ジッド
- 78『不思議な国のアリス』ルイス・キャロル
- 79『オデュッセイア』ホメロス
- 80『感情教育』フロベール
- 81『侍女の物語』マーガレット・アトウッド
- 82『二都物語』ディケンズ
- 83『予告された殺人の記録』ガルシア・マルケス
- 84『ペドロ・パラモ』フアン・ルルフォ
- 85『西遊記』呉承恩
- 86『薔薇の名前』ウンベルト・エーコ
- 87『三国志』羅貫中
- 88『虚栄の市』サッカレー
- 89『親和力』ゲーテ
- 90『若い芸術家の肖像』ジェイムズ・ジェイス
- 91『死の家の記録』ドストエフスキー
- 92『イリアス』ホメロス
- 93『風と共に去りぬ』マーガレット・ミッチェル
- 94『ナジャ』ブルトン
- 95『V.』ピンチョン
- 96『モロイ』サミュエル・ベケット
- 97『灯台へ』ヴァージニア・ウルフ
- 98『冗談』ミラン・クンデラ
- 99『オブローモフ』ゴンチャロフ
- 100『悪徳の栄え』マルキ・ド・サド
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